09.25.水  
秋の授業探訪10〜3年「日本史B」@
 すっかり秋らしい季節になりました。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものです。道路脇の彼岸花も咲いています。

 1時間め、3年「日本史B乙」の授業を見学しました。この科目は3年生119人が選択し、このクラスは5、6組の33人です。

 今日のテーマは「織田信長がいかに優れた武将であったか」です。どんな根拠をもってそう言えるのか、教科書や資料集にある言葉や図表を読み解くだけにとどまらず、当時の背景や登場人物の性格やおかれた環境など、その「行間」に考えを及ぼす必要がありそうです。

 歴史を読み解く時、それを「史実」として扱えるかどうかは、根拠となる文献等の確かさで決まります。今の時代も「フェイクニュース」があるように、当時の「フェイクニュース」が通説になっているものもあるかもしれません。また、そもそも文献などの歴史資料が乏しい場合もあります。例えば、今日の登場人物では、美濃国を治めていた斎藤道三の娘で織田信長に嫁いだ「濃姫」に関する文献は少なく、その生涯はよくわかっていないようです。

 教科書には、さまざまな考察に基づいてほぼ事実であると認定されている内容が書かれています。そこをもっと掘り下げていこうとする授業は、生徒たちにはとても関心が高そうで、皆とても熱心です。



09.25.水  
秋の授業探訪10〜3年「日本史B」A
 1567年、信長は義父にあたる斎藤道三を討ち落とした義龍(道三の長男)を討ち滅ぼして稲葉山城をとり、本拠地を尾張から美濃に移してこの地を「岐阜」と名付けました。この時に作った印象の印文が有名な「天下布武」の四文字です。これは「武」の字がそもそも「戈(ほこ)」と「止(やめる)」からなり、したがって、「天下を統一して争いのない平和な世をつくる」と解釈されており、信長の決意が示されたものだと言われています。

 「尾張から岐阜に移すメリットは何ですか。」先生の問いかけに生徒たちが考えます。
 「分からない人は資料集143ページを見て考えなさい。」
 「(京都に近いので)上洛しやすい。」もっともな答えが出てきます。 

 「ところが上洛するには必ず浅井(あざい)長政の北近江国を通らなければなりません。さて、安心して通れるように信長はどうしましたか。」
 「政略結婚。」
 「正解。信長が溺愛していた妹『お市の方』を浅井長政に嫁がせました。」生徒たちはよく理解しています。

 「やがて、信長は上洛して足利義昭を第15代将軍に擁立し、将軍の名前で全国の大名に京都に集まるようにと書状を送り、これに従わなかった越前国の朝倉義景はなんと浅井長政を援軍につけて信長・家康の軍と姉川で戦います。これが1570年『姉川の戦い』です。」
 「これに弱ったのは『お市の方』ですね。朝倉を討ちに北上した信長を後方から浅井長政が『挟み討ち』にすることを知り、信長に袋に詰めた小豆を贈ったそうです。」
 「挟み撃ちにされていることを知った信長はわずか5人を連れて逃げ出し、3日後には琵琶湖西岸を通って京都に戻ったそうです。取り残された軍は美濃へとなんとか逃げます。この時「しんがり」を務めて評価の高かった3人が、秀吉、家康、明智光秀です。」

 「さて、『姉川の戦い』は歴史的にどんな意味があったのでしょう。」

 授業を思い出しながら書き記していくうちに、私ものめり込んでしまっています。書き出したら止まらなくなってきましたのでここで止めておきますが、終わりのチャイムが鳴るまで生徒たちもとても熱心に受けていたように「記憶に残る」たいへん興味深い授業でした。グループワークや発表形式もありませんが、頻繁に「自己内対話」を行い、頭を使ってよく考えることの多い授業でした。

 生徒に皆さん、引き続き頑張ってください。



09.25.水  
「学校・教育 総合展」にに行ってきました
 午後から休暇を取って、インテックス大阪で開催されているリードエグジビジョンジャパン(株)主催の「学校・教育 総合展〜教育ITソリューションEXPO、学校施設・サービスEXPO、STEM教育EXPO」に行ってきました。教育に関係する企業250社が出展する会場には教育業界の大勢の方が来られていました。

 学校業務支援、教材・コンテンツ、ICT機器、プログラミング教育、教室設備・スクール用品、働き方改革支援など提供する分野は多様です。また、「タブレットPC・ICTを使った探究学習の模擬授業体験セミナーと、「Society5.0と『未来の教室』」と題して経済産業省 商務・サービスグループサービス政策課長、教育産業室長の浅野大介さんの講演を受けてきました。

 「驚愕」に近い感覚でした。この会場にあるツールやコンテンツを上手く選んで教室に取り入れると、生徒の学びが全く変わってくると確信させられました。いろいろ回って話を聴き、「○○を導入するのにいくらかかるか。工期はどれくらいか」など質問しながら、本校で何ができるか考えました。学校教育が抜本的に変わる時代がやってきたのかもしれません。また、教育の本質を見失わないようにより一層気をつける必要があるとも感じました。

 「明日の学校」を考える、とてもいい勉強になった時間でした。