07.08.月  
多様であること
 期末考査3日めが終わりました。生徒の多くは午前中に下校し、午後は静かです。体育館でのめだかこども園のマーチング練習は最終日、練習を終えた園児たちが元気よく帰っていきました。

 昼休み、校長室の窓からふと中庭の方を見ると、ちょうど窓のすぐ向こうで体調5ミリほどのクモが仕掛けた糸に引っかかった翅アリにせっせと糸を巻きつけていました。翅アリは何とか脱出しようと必死で頑張っているようですが、どうやら逃げれそうにありません。クモは自分よりも大きな獲物を逃さないように何重も糸を出しては器用に巻きつけていきます。どちらも自分のいのちを守るために一生懸命です。

 いったい、クモはいつ頃糸を張ることを覚えたのでしょう。どのようにしてこんな方法を見つけたのでしょう。いつもは気にもならないクモの糸に、私も引っかかってしまったようです。

 「粘り気のある透明な糸を出して、虫がよく飛んでくるところに放射状の立派な巣を張り、あるいは長い糸を張って隅に隠れ、引っかかるとすぐさまぐるぐる巻きにして逃げ出せないようにして体液を吸う。」こんな高度な生き方をどうして思いつくことができたのでしょう。

 目の前のこんな光景にも豊かな自然の多様性に気づかされます。「多様であること」はいろいろな生き物が自分のいのちを懸命に生かしていくための結果であり、全ての生きものに共通する最も大切にし続けていきたいことの一つであることには違いなさそうです。

 このことからも、私たち人間だけに限ってみても、いろいろな人がいることの大切さ、違いは豊かさであることが確信を持って言えるのです。