07.05.金  
目から鱗
 期末考査2日めが終わりました。明日は土曜日なのでちょっと一息ついているところでしょうか。

 今日は午後から出張で、河内小阪にある大阪樟蔭女子大学に行ってきました。府立人研中河内地域交流部会で、この地域の小・中・高校・大学の先生方や、NPO法人や企業や施設の方々が集まり「人権」をテーマにともに学び、意見交流を行います。今年度のテーマは「進路保障のあり方〜地域で『人』を支える〜」です。心の琴線に触れる話を聴くことができ、貴重な時間を過ごすことができました。生徒のみなさんや先生方にもぜひ聴いてほしいと思うお話もありました。

 大阪樟蔭女子大学は、先月6日に91歳で逝去された日本を代表する小説家の田辺聖子さんの出身校です。今日は交流部会のあった円形ホールに隣接する「田辺聖子文学館」を見学することができました。

 表題の「目から鱗」はこの見学中のことです。田辺聖子さんは実に数多くの小説を書かれましたが、活字になることのなかった貴重な原稿が今だけ展示されていたのです。それは、1986年に記された、母校の後輩たちに送る「読書のすすめ」のメッセージです。
 
 原稿用紙6〜7枚に綴られた言葉は、まさに「目から鱗」でした。田辺聖子さんの小説はテレビドラマ化されたり映画化されたりしたものも少なくありません。彼女は、「映像を観るとストーリーは分かるが、『見る』は決して『読む』にはならない。」その理由が端的に分かりやすく書かれていました。「活字を読む」ことが、読み手に想像の余地をたくさん与えることを「映像を観る」こととの比較で、確たる根拠のもと明確に示唆されていたのです。普段朧げに思っていたことをこんなにあっさりと端的に記されるとは、流石だなぁと感心しました。読書はやはりいいものです。

 交流部会は夕刻までありましたが、まだ明るいうちに家路につくことができました。家の前の木にはクマゼミの空蝉が1つありました。私が発見した今年の空蝉第1号です。いよいよ夏が近づいてきています。