07.16.火  
みどりのよく育つ頃
 3連休明けの火曜日、今日も生徒たちは元気に登校してきました。授業が午前中で終わるため、毎朝の講習に加え、午後から講習を行う科目も増えてきました。

 天気は徐々に下り坂のようで、灰白色の雲が空一面を覆っていますが、まだ雨が降ってくるほどではありません。降り出すのは夜中になってからでしょうか。

 例年よりかなり遅い梅雨入りでしたが、それからはほとんど晴れることがなくなりました。ところが、草木が生長するには十分な光があるのでしょう。治水緑地はみるみるうちに深い緑で覆われました。管理をされている寝屋川水系改修工営所の方々が何度も伸びた草を刈っていますが、またすぐに茂ります。特に大きな3枚の複葉が見事なマメ科のクズの繁茂力は圧倒的です。太い丈夫そうな蔓をグングン伸ばしてあちこちに巻きつきます。
 
 大きな根からデンプンを取って葛粉を作ったり、根を乾燥させて生薬にしたり(葛根湯)、繊維を取ったりと日本では古くから人々の生活と深く関わってきました。秋の七草の1つにも数えられ、秋の季語にもなっています。

 ところが、北アメリカでは19世紀末にこのクズが日本から持ち込まれてから繁茂し、今では「世界の侵略的外来種ワースト100」の1つに数えられているようです。

 今日は午後から出張でした。駅へ向かう道像の田圃の稲もしっかりと育っていました。ふと、稲の根元にピンク色の卵らしいいくつもの粒の塊が目に入ってきました。調べると「スクミリンゴガイ」という巻貝の卵でした。俗に「ジャンボタニシ」と呼ばれているもので、卵には毒があり他の生物にあまり食べられることなく孵化してどんどん増えるそうです。そして稲を食べてしまうので決して歓迎できるものではないようです。これも「世界の侵略的外来種ワースト100」の1つに数えられています。

 「世界の侵略的外来種ワースト100」の中には、ペットとして多く飼われているイエネコのほか、ハツカネズミ、イノシシ、ヤギや、コイなどとても馴染み深いものも含まれています。恩智川に棲みつくヌートリアもこの1つです。

 このように「侵略的」だとレッテルを貼るのは簡単ですが、いずれももともとは人間が食用や商業目的等で生息していない土地に持ち込んだことによるものだといいます。私たちは地球上の生き物に対してどれほどの影響力を持っているのでしょう。遠い遠い未来の地球に住む人たちに、私たちは「地球を大切にしています」と言えるのでしょうか。

 いつもの通学路で、目にする景色、頬をとおる風と音、それらをつなぎ合わせ、こんなことをぼんやりと考えることも「主体的・対話的で深い学び」の1つだと言えるかもしれません。学びの本質は今も昔もそれほど変わるものではないのです。