06.29.土  
サミットにおもう
 梅雨前線が日本列島上空に停滞し、その上を低気圧が西からやってきています。今夜から7月1日(月)にかけてかなりの雨量になると予想されており、十分な注意が必要です。 
 
 昨日から始まったG20大阪サミットが大規模な交通規制が行われ、厳戒態勢の中行われています。その影響ですべての府立学校が27日、28日の2日間休校になりました。生徒たちは4日(木)から始まる期末考査の勉強に精を出していることでしょうが、今、大阪で話し合われているテーマについて、生徒の皆さんにも考えてほしいと思い、その機会を作ることができないものかと考えているところです。

 サミットは、20か国の他、オランダ、シンガポール、スペイン、ベトナムの招待国とASEAN議長国(東南アジア諸国連合・タイ)、AU議長国(アフリカ連合・エジプト)、APEC議長国(アジア太平洋経済協力・チリ)、NEPAD議長国(アフリカ開発のための新パートナーシップ・セネガル)、国連、世界銀行、IMF(国際通貨基金)、WTO(世界貿易機構)、ILO(国際労働機関)、FSB(金融安定理事会)、OECD(経済協力開発機構)、ADB(アジア開発銀行)、WHO(世界保健機関)の国際機関議長国やリーダーが参加していることに大きな意義があると思っています。 詳しくはG20大阪サミット公式ホームページをご覧ください。https://g20.org/jp/  

 2015年9月の国連サミットで、SDGs(エス・ディー・ジーズ)=「Sustainnable Development Goals(持続可能な開発目標)」が採択されました。それは、国連加盟193か国が2016年〜2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。SDGsが採択されたことは、世界の平和と新たな人間社会の構築を志す人々にとって記念すべき第一歩になったと言えるでしょう。

 SDGsは、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。そのどれもが、次代を担う生徒たちにとって必然的に考えるべきテーマだと言えます。課題の多くはこれまでの人間社会が生じさせたもので、若者たちにその責任が直接あるものではありませんが、いのちと一緒にさまざまなバトンを受け継いだ自分の問題として当事者意識を持って向き合ってほしいと願っています。

 17の目標は次の通りです。これらの課題についてすでに先進的に取り組んでいる高校も少なくありません。

 1 貧困をなくそう
 2 飢餓をゼロに
 3 すべての人に健康と福祉を
 4 質の高い教育をみんなに
 5 ジェンダー平等を実現しよう
 6 安全な水とトイレを世界中に
 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
 8 働きがいも経済成長も
 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
 10 人や国の不平等をなくそう
 11 住み続けられるまちづくりを
 12 つくる責任 つかう責任
 13 気候変動に具体的な対策を
 14 海の豊かさを守ろう
 15 陸の豊かさも守ろう
 16 平和と公正をすべての人に
 17 パートナーシップで目標を達成しよう

 SDGsの素晴らしいところは、歴史も文化も民族も宗教も異なる様々な国が集まり、全世界で同じ枠組みで考え、進めようとしているところです。まさに「一人の地球人として何ができるか」を考え行動しようとしていることです。そのためには目標の実現に向けて、互いに信頼しあうこころと態度が大切です。
 
 「生徒たちにどのように投げかけていくのか」、身近なテーマから始めてみるのもいいかもしれません。まずは私自身が、「今朝食べたごはんの半分は自分が生きるため、あとの半分はほかの人(や生きもの)が生きるため」に使おうと心に決めて生きることだと思いました。

 今、正門前の花壇の一角にミントの花が満開を迎えています。近くに寄ると清爽なミントの香りが強く放たれているのに気がつきます。しばらく側で見ていると、この香りに魅かれてか、蝶やハナアブ、蟻などいろいろな虫がひっきりなしにやってきては花に停まって蜜を吸っているようです。茂みの中で巣を張って逆さになってじっと待ち構えている大きなコガネグモもいました。

 花壇の一角の小さな茂みの中だけでも、それぞれがいのちをかけて生きるために共存している世界がありました。私たちにできることは何でしょう。