05.01.水  
時代を創る
 平成から令和に改元され、日本の新しい時代が始まりました。昨日「退位礼正殿の儀」が行われ、今日は「即位の日」、日本中がお祝いムードに包まれています。振り返れば、「昭和」は戦争と復興、「平成」は災害と復興の時代であったと言えるかもしれません。言葉で言うのは簡単ですが、戦争や災害を経験し、昭和、平成と生き抜いてきた人が、どのような思いで今日を迎えられていることでしょう。昨日から様々な報道や記事を見て感じるのは、いつの時代も何があっても、絶望ではなく希望を持ち続けることが大切なんだなぁということです。時代から時代へと、こうしていのちがつながっているのも、先人たちが希望を持ち続けてこられたからだと思います。
 
 次代を担う生徒たちと向き合い、教育に携わる私たちの責任は重大です。今、大切なのは、さまざまな違いを互いに認め合い繋がる力を育むこと、自分の意思で「真・善・美」を見極める感性を育てること、そして、「令和」の時代を誠実に逞しく生き抜くしなやかで強い力をつけることだと思っています。

 また、地球上で今日を「新しい時代の始まり」だと共感しているのは、日本に暮らす私たちに限ることでしょう。この国にいて、この国の一員として主体的に生きながら、自分の考えや行動が、海の向こうからはどのように見えるのか想像し理解することも必要でしょう。国際社会の一員としても責任ある行動をとり、将来、世界中のみんながともに「喜び」を共感できるような日が来ることを願ってやみません。

 「令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここに我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」と退位の最後に述べられたおことばは、火山噴火、地震、津波、水害、土砂災害などの被災地や、すべての国立ハンセン病療養所、離島等の遠隔地、そして、広島、長崎、沖縄と、全国をめぐり多くの人々と向き合ってこられた由の真なる言葉として受けとめ、その深い思いに感じ入っているところです。「世界の人々の安寧と平和」こそが、人として「生きる」目的であると明らかにされているように思います。

 先週木曜日の放課後、いつものように生徒の様子を見て回っていると、美術教室で「美術U」の作品制作に取り組んでいる2年生の生徒たちがいました。連休までに仕上げる必要があるとのことです。



05.01.水  
「漢字」を創る〜「美術U」
 テーマは「漢字を創る」、デザインの創作です。生徒たちの発想はとても豊かです。熱心に取り組んでいるところを邪魔だと思いながら声を掛けると、「先生、これ何と読むか分かる?」と笑顔で訊いてくれました。
 
 「蛸」の下に「、、、、」。
 うーん、あっ、「たこ焼き」。
 「正解!」。

 こんなやり取りが嬉しいです。他の作品もよく思いつくなぁと感心してばかりでした。「音」に「木」が斜めに2つで「カスタネット」は分かりませんでした。言われてみれば、「木」が赤と青に塗られていてなるほどです。

 私も何か字を創ってみようと思いましたが、何も浮かんできません。生徒の想像力に脱帽です。

 今日になっても、「カスタネット」の素朴な字が頭から離れません。いつまでもカスタネットやピアニカの賑やかな音が、町に響いていてほしいものです。