11.06.火  
小説を読み、ともに考える〜3年「現代文B」@
 2時間め、3年5組の「現代文B」の授業を見学しました。担当は大谷先生で今日はLAN教室でグループワークの発表です。

 題材は米原万里さんの「バグダッドの靴磨き」です。教科書の本文を段落に分けて、グループごとにそれぞれ分担して深く読み込みます。登場人物のひとつの言動に対して話し合い深めていきます。それを発表するのです。

 はじめの班は、教科書184ページ下の段の18行めからです。聞き手と一緒に精読しながら、パワーポイントを使って説明していきます。
「アッラー何が不公平なのか。」「アメフドは何故嫌だったのか。」
「誰かわかる人はいますか?」と発表者が質問します。
「はい!」と元気に手が伸びます。



11.06.火  
小説を読み、ともに考える〜3年「現代文B」A
 「バグダッドの靴磨き」の話しは12歳の少年アメフドを通して描かれていますが、戦火のバグダッドに生きるまだ幼いアフメドの心情を本当に理解することができるのでしょうか。この小説のポイントはそこにありそうです。

 次の班は続きの185ページの下の段3行めからです。

 「アフメドはザマアミロと罵っていたのに何故自己嫌悪に襲われたのでしょうか。グループで考えてください。」

 本文の文節の一つひとつに宿る筆者の思いをアフメドによってどんなふうに描かれているのでしょう。「自分にこの小説が書けるか、なぜ書けないのか、書くには何が必要か。」こんな問いかけを自分にしてみても面白いかもしれません。そして意外と早くアフメドの心情を想像できるようになるかもしれません。

 小説は「読み手に想像の余地を残している」所がこの上なく面白いのでしょう。
 最近、また、小説を読むようになりました。この日はちょうど江宮隆之の「白磁の人」を読み終えたところでした。場面設定も内容も全く異なりますが、重なる所も多くありました。

 最後に、たくさんお金をもらった少年は「60ドルでコルト拳銃が2丁買える」と喜んで言います。この言葉を通して筆者は何を伝えようとしているのでしょう。奥行きの深い作品だと思いました。発表者はとても真面目に真剣に取り組んでいました。



11.06.火  
ドイツ玩具に学ぶ〜2年「子どもの発達と保育」@
 3時間めは2年生こども保育専門コースの科目「子どもの発達と保育」を見学しました。今日は作法室で1年に1度の特別授業です。

 教科指導等外部指導員として新石切プラザ内の本屋さんの一角にある「こっこ・ラボ」というヨーロッパ玩具店の本山裕子さんがヨーロッパのおもちゃをたくさん持ってきてくださいました。

 おもちゃはおもにドイツで人気のカードゲームやボードゲームです。いろんな種類を持ってきてくださいました。廉価でとても勉強になるものも多くあり、本校も教材としていくつか持っています。2時間めから本山先生に遊び方を教えてもらい、いろいろとやっていたので、3時間めに見に行った時はすでにとても盛り上がっていました。

 ゲームの箱には必ず「対象年齢」が書かれてあります。例えば「5歳〜」というものや、中には「5歳〜90歳」と書かれているものもあります。これは「幼い子どもから老人まで皆が心から楽しめます。」という意味だそうです。子どもでも大人に十分勝つことができるというものです。その秘訣はシンプルで明快なルールにあるようです。

 例えば、1枚のカードを捲ると、色の異なる輪ゴムが指に掛かっている絵が描かれています。それを見て、柔らかい布でカバーしたいろいろな色の輪ゴムの山から、その通りになるように指にかけていき、できたらベルを鳴らして速さを競う、というものです。あまり日本では見たことがありません。

 生徒たちは自ら夢中になりながら、遊びを通じて幼児のどんな知能が高まるか、どんな力が育まれるか感じ取っています。



11.06.火  
ドイツ玩具に学ぶ〜2年「子どもの発達と保育」A
 ドイツでは、大人が子供に対してわざと負けてあげたり力を緩めたりは絶対しないそうです。負ける悔しさと大人の凄さを思い知り、そこから成長が始まるという考えだと、昨年来ていただいた時に本山先生に教えてもらたことを思い出しました。

 こどもの成長に深く関わる時、日本だけでなく他の国で行われている遊びを通して、何を大切にすべきかを考え実践することはとても重要だと思います。

 本山先生は、きれいな絵が描かれているカードを取り出しました。それは、アンデルセン童話の有名な8つのお話が、4コマ漫画のように4枚1セットになっているものです。やってみると、たくさん頭を使うことが分かります。勝つためには抜群の記憶力と高度な駆け引きが必要でしょう。とても面白く大人が必死になりそうです。生徒たちも回数を重ねるごとにこのカードゲームの醍醐味を味わっているようでした。

 このような昔ながらのスタイルのカードゲームやボードゲームは、目の前の対戦相手とのコミュニケーション・ツールであり、相手の表情や仕草を読み取り、競いながらみんなで楽しむといった幼児期に体験すべき大切な社会性が育まれることも肝要です。

 クラスの仲間と一緒にいてるのに、それぞれがスマホでゲームをしているシーンを見ることがしばしばありますが、もったいないと感じるのは私だけでしょうか。

 本山先生ありがとうございました。生徒たちは大喜びでした。