11.10.土  
「卒業生に聞く」〜1、2年生「総合的な学習の時間」@
 今日は午後から学校説明会・体験授業・部活動見学を行うため授業日です。代わりに12日(月)が代休になります。朝方はまだ雲が残っていましたが、昼には快晴になりました。少しだけ涼しくなった気がしますが、まだ10月初旬の暖かさです。

 今日は1、2年生のために5人の卒業生が来てくれました。「卒業生に聞く」のテーマで3時間めに体育館に集合しました。卒業生は7、8期生でほんの少しだけ先輩です。ジェネレーションギャップはないと言ってよいでしょう。ただ、普通科総合選択制の卒業生なので学びの環境は少し異なっているかもしれません。
 話の骨子は次の3点ですが、OB・OGとして心から後輩に伝えたいことを伝えてもらいました。
 (1) 高校生の時になぜ今の進路に進もうと思ったのか。
 (2) 進路実現に向けてどのように勉強したのか。
 (3) 今、進学先でどのような学びをしているのか。

 龍谷大学理工学部の衣川さん(8期)、龍谷大学経営学部の永易さん(8期)、近畿大学経営学部の横畠さん(8期)、同志社大学商学部の前田さん(7期)、そして、大阪警察病院看護専門学校の西尾さん(8期)の順に話してもらいました。 



11.10.土  
「卒業生に聞く」〜1、2年生「総合的な学習の時間」A
 衣川さんは龍谷大学理工学部物質化学科の1回生です。在学時バドミントン部に所属して学業との両立を果たしながら目標に向って頑張られていました。
 「3年4月に龍谷大学に必ず行くと決めてから、思うように成績が伸びなかった時も、『絶対に行きたい気持ちをを糧にして』ブレることなく頑張り続けたのがよかったと思う。」と話されました。
 入試勉強では、英単語の場合は、毎日寝る前に200語を見る習慣をつけたそうです。
 「1語1秒以上時間をかけないペースでサーッと見ていくと、15分で200語見ることができます。これを毎日続けると入試までに2000語は大体覚えることができたのでお勧めです。数学は初めは応用問題をやっていたが、結局は基本問題を徹底的に解くのが大事だと気づき、基本問題ばかりをずっと解いていました。化学は2冊の参考書と問題集をしっかりやりました。」とのことです。
 大学では有機、無機、理論、分析の4領域の化学の勉強を主にされているとのことです。

 永易さんは2年生夏のオープンキャンパスがきっかけで、龍谷大学経営学部を目標にするようになったそうです。始めはE判定でしたが、強い気持ちで頑張り続け次第に判定は上がっていきました。いち早く入試要項を取り寄せて自分は国語が得意なので、国語の得点が2倍になるタイプの入試を受けるようにした。それで公募推薦で合格することができたとのことです。
 「受験勉強の期間は長く、誰でも『焦り出す』時期があると思うけど、そんな時は英単語を見るだけでもプラスになるので、単語を覚えて落ち着くようにしていた」と聞きました。

 目標を定めた大学に向かう強い気持ちがあったことが二人の共通点です。

 横畠さんは次の3つを伝えたいと言われました。
(1)目標を立てること
(2)一人の力は大したことない
(3)今を楽しんで欲しい
 1つめは、具体的に目標の立て方について教えてくれました。
 「まず、一番大きな目標を立てること。例えば自分は高校の時ソフトテニス部だったので、部活動で言えば『近畿大会出場』、勉強なら『毎回50位以内に入る』というような目標を立ててください。そしてそのために、この1か月の目標を立て、さらに1週間、1日と時間を短く切ってそれぞれ目標を立てて実行すれば、大きな目標が達成できると思うのです。」
 なるほど、とてもよく分かりやすいです。言い換えると「合格するのに必要なペースを知り、そのペースで走り続けなさい。」ということでしょう。とても重要なことです。
 2つめは、「自分1人で頑張ってできることは思い切り頑張っていたら、必ず誰かが助けてくれるので、その人の力を遠慮せずに借りること。例えば、一生懸命頑張っていたらある先生が行きたい大学の過去問を10年分ぐらい集めてもらったことがあった。そういう時は甘えればよいと思います。」
 彼は周りに彼を支える人たちの存在をしっかり認識し、それを彼自身の力にしていたように思いました。
 3つめは、「今でも高校の時の友達らとよく会っているけど、みんな『高校に戻りたい』と言っている。友達と遊んだり、今できることを精一杯やってほしい。」
 高校の時に友と一緒に何かに打ち込んだことはいつまでも共有の宝物になっています。私自身も高校3年の12月になってクラスでラグビーチームを作り、年末まで対抗戦をしていたことを思い出します。あまり勝つことができなかったので悔しい思い出ばかりですが、今も自分の心を豊かにしてくれる宝物の1つには間違いありません。3年生の皆さん、今できることは、卒業してから簡単にできることではないかもしれません。どうか時間を大切に、この一瞬一瞬を大事に過ごしてください。

 前田さんは、体育大会で団長を務めました。高校3年間はたくさん遊んで友達もいっぱいできたそうです。しかし、受験勉強に取りかかるのが遅く、結局浪人されました。
 「浪人するからには関西で最も難しい大学に行こうと決め、数学が苦手だったので国公立は除外し、同志社大学一本に絞って猛勉強した。毎日少なくとも10時間から15時間は勉強した。また、同志社大学の募集要項を取り寄せて読んで、商学部でマーケティングの凄い教授いることを知り、「この人に学びたい」という一心で必死で勉強した。始めはなかなか届きそうになかったが、頑張っているうちに徐々に上昇し、合格最低点を上回ることができた。『努力すると報われる』ではなく、『報われるまで努力する』が自分の座右の銘。高校の時にしてほしいことは『人脈を広げる』こと。高校にいてるうちに高校中の全員、生徒や先生方と友達になってほしい。そのことが将来必ず自分に返ってくると思います。」
 彼の人生を変えたという「報われるまで努力する」は、「結果は後からついてくる」に似ているように思いました。結果を気にせず、とにかく「今を懸命に生きる」ことが大切だと教えてくださいました。

 西尾さんは、早くから看護師になろうと決めていたそうです。難関の警察病院看護専門学校に進学して、今、毎日たくさん勉強しているそうです。
 「実際に病院へ実習に行って、『目的を持った上で行動すること』『時間厳守は最低限』『コミュニケーション力を磨くこと』を学んだ。学校では、1年生の時から定期考査を頑張った。バイトも遊びもしながらちゃんと勉強も頑張った。みんなに言いたいのは、就職する人も進学する人も同じで、1年生の時から考査を頑張ることです。それが進路実現に繋がるのです。また、看護師に関心がある人は、高校生版の「一日看護体験」を行っている学校もあるので、是非行ってみてはどうか。患者さんから『ありがとう。』と感謝されたことがあって、もっと頑張ろうという気持ちになりました。」
 推薦入試は、調査書の評定が合否の判断基準の一つの要素になる場合がほとんどです。自分の将来像を具体的に描けない人はなおさら、1年次から定期考査を頑張るようにすれば後で困ることはないでしょう。」
 その通りです。「医師が病気と向き合うのなら、看護師は患者と向き合う」という言葉を聞いたことがあります。彼女は早くも実習でそのことを感じているようです。看護師を志す強い想いが生徒たちに伝わっていました。

 5人が話してくれたあと、質疑応答の時間になりました。挙手がないので司会の英語科鈴木先生が容赦なく指名されていきます。
 「浪人して1年間も毎日10時間以上もどうして勉強を続けることができたのですか。自分にはそんなしんどいことを1年も続けられるとは思えません。」
という質問に、前田さんの素晴らしい回答が待っていました。
 「『夢』かな。夢に向かってまず3日頑張ってください。3日頑張れたなら1週間頑張れます。1週間頑張れたら1か月頑張れます。そうして気づいたら1年経っていました。」
 場内から自然と大きな拍手が生じました。生徒たちの心に響いたようです。

 5人の卒業生の皆さん、ありがとうございました。生徒にとってとてもいい時間になったと思います。



11.10.土  
第2回学校説明会が始まりました
 午後1時30分から体育館で第2回学校説明会が始まりました。司会進行は生徒会役員です。
 はじめにオープニングセレモニーとして書道部パフォーマンスが行われました。音楽に合わせて6名の部員たちが大きな大きな紙に、ダイナミックに大筆を走らせ、5分ほどで素晴らしい作品ができました。場内は大きな拍手に包まれています。



11.10.土  
体験授業@
 体育館での説明会のあと、午後2時30分から3時まで体験授業が行われました。それぞれ写真で紹介します。

 写真左:「百人一首の世界」…百人一首について学び、かるた会をします。
 写真中:「呪いの日本史」…日本人は「怨霊」に悩まされていた!? 日本史の一端を知ろう。
 写真右:「新選組」…漫画で有名な新選組について詳しく知ろう。



11.10.土  
体験授業A
 写真左:「論理クイズに挑戦!」…頭を使って考えるクイズに取り組みます。
 写真中:「ウミホタルの発行実験」…ウミホタルの発光を通じて、生命現象と化学反応の関係を知ります。
 写真右:「−200℃の世界」…液体窒素を使って−200℃での物質の様子を観察します。



11.10.土  
体験授業B
 写真左:「ちょこっと英会話」…身近な題材で「英語で伝えること」の喜びを一緒に味わいましょう。
 写真中:「仮定法の世界」…高校で学習する「仮定法」について分かりやすく説明します。
 写真右:「コンピューターデザイン〜オリジナルキーホルダーを作ろう〜」…コンピュータ−を使ってキーホルダーを作ります。(はじめにアシスタントで授業に入るコンピュータ研究部の部員による活動紹介がありました。)



11.10.土  
体験授業C
 写真左:「箏を弾いてみよう!」…箏(お琴)で「さくら」を弾きます。
 写真中・右:「アートな缶バッチ作り」…モダンテクニックという技法を体験し、オリジナル缶バッチを作ります。



11.10.土  
体験授業D
 写真左:「未体験スポーツに挑戦(1)」…グラウンドでアルティメットをします。
 写真中・右:「未体験スポーツに挑戦(2)」…体育館で「キンボール」をします。



11.10.土  
体験授業E
 写真左・中:「ポップアートカード作り」…幼児向けのカードを作ります。いろいろな工夫をしてみてください。
 写真右は、11月8日に近隣の保育園の5歳児を会議室に招待した時に、壁に貼っていた秋の飾りつけです。こども保育専門コース3年生の生徒たちが作りました。



11.10.土  
弓張の月のある夕暮れ時
 学校説明会のあとの体験授業も終わり、続いての部活動体験も午後4時過ぎにはすべて終わりました。たくさんの方に来ていただきありがとうございました。また、司会進行の生徒会役員をはじめ、誘導や案内役をしてくれたクラブ員の皆さんには随分助けていただきました。ありがとうございました。先生方も日頃の授業に加えて体験授業もしてくださり、ありがとうございました。準備にたくさん時間をかけてられた先生も結構おられました。

 スライドを使っての私の説明は惨憺たるものでした。決められた時間内にビシッとは増すことが苦手なために、説明の中頃から焦り出してしまいました。保護者席との距離も遠くて分かりづらかったのではと思います。明日の「校長だより」に全スライドを説明を加えながら掲載する予定です。よければご確認ください。

 後片付けも会わり、帰路に着こうと正門を出ました。日没後の数分程度経った頃だったようです。西の空の地平が茜色に染まり、そこから天頂にむかってゆっくりと黄色から紫に、そして群青へと色が変わっていく様子がとても美しく見えました。
 群青の中には三日月が輝き始めていました。一足先に沈んだ太陽を射抜くように弓を張る月と空が合わさって見事な夕暮れの風景をつくっていました。

 空が広いと美しい風景とたくさん出会うことができます。本校に通い、空の色を楽しむ機会が増えました。