10.05.金  
力学的エネルギー保存則の証明〜2年「物理基礎」@
 週末を迎え、台風がまた接近していますが、今回は日本列島を大回りしてどうやら直撃の心配はなさそうです。明日は2年生が1日「ガッツリ勉強会」を行います。今日から中間考査1週間前になり、時間割も発表されました。生徒の皆さん、勉強できることを幸せに感じてしっかり頑張ってください。

 今日は2時間めの2年「物理基礎」の授業を見学しました。今年度45人が履修したため、2クラスできました。本校では理系大学進学を意識して3単位(週3時間)行っています。

 今日はいよいよ研究発表です。1班5〜6人のグループに分かれ、それぞれ自分たちで実験方法を考えて実際に測定を行い、力学的エネルギー保存則が成り立っていることを証明します。発表の持ち時間は7分、1班から始まりました。



10.05.金  
力学的エネルギー保存則の証明〜2年「物理基礎」A
 1班は自由落下です。床から1.5mの高さの所から初速度0で自由落下させ、床に接地するまでの時間を計測して計算し、球が初めに持っていた位置エネルギーと、接地時に持っていた運動エネルギーとがほぼ等しくなるか確かめます。ゴルフボールと鉄球(小)、鉄球(大)の3種類の球をそれぞれ30回ずつ行い、その平均値をとったそうです。なかなかいい値が出ていました。

 発表はパワーポイントのデータをiPadに入れたものをプロジェクターでスクリーンに投影して行います。生徒たちは配られた各班作成資料を見ながら、発表者の説明を聴きます。発表者は画面以外一切何も見ずに行うルールになっているようです。1班の人たちは、それぞれ分担して説明していました。

 6分30秒で発表が終わりました。自然と拍手が起きます。班のみんなが関わって実験し、まとめてきたことがよく伝わってきました。続いて質疑応答です。
(1)理論値が3種類の玉すべて同じなのはなぜか。
(2)実験の結果なぜ鉄球(大)だけ0.02小さい値になったのか。
(3)考察で落下距離を長くした方が良いと考えたのはなぜか。

 先生からの質問はなかなか手厳しいです。



10.05.金  
力学的エネルギー保存則の証明〜2年「物理基礎」B
 2班は、ばねにおもりを吊るし、おもりの数を変えて単振動させた時の周期を計測し、位置エネルギーと運動エネルギー及び弾性エネルギーの合計が一定に保たれているか検証する実験を行いました。

 実験の様子の画像も見ることができ、とても分かりやすい発表でした。時間も7分ちょうどでした。質疑応答です。
(1)なぜわざわざ一瞬しか止まらない最下点に来た時に計測したのか。
(2)誤差について、「大きい・小さい」の線引きは何を基準にしたのか。
(3)当てはめるエネ保存の式が自然長の場合と最大値の場合とで異なるのはなぜか。

 先生の質問はパチンと鋭く、2班や聞いていた他の生徒たちみんなが考えさせられました。



10.05.金  
力学的エネルギー保存則の証明〜2年「物理基礎」C
 時間がないので4班は次回の授業ですることになっていたようです。今日の最後は3班です。3班は単振り子の振幅とおもりの質量を変えて、すべての場合にエネ保存が成り立っているか調べました。

 本校には速度測定器があります。これを使うと振り子が最下点を通過する瞬間の速さを簡単に測定することができます。実験用のスタンドに20pの糸におもりを付けて振動させます。発表にはその様子の動画が流されました。結果はどの場合も理論値に近い値が出ています。おそらく、どんな設定にして計測すればよいかみんなでよく話し合ってきたのだろうと感じました。質疑応答です。
(1)理論値を見ると質量は関係なさそうに見えるがなぜか。
(2)糸の長さを変えると誤差はどうなるか。
(3)振幅を変えると角度が変わるが、角度は関係ないのか。

 あっという間に時間が来ました。生徒たちは各自で相互評価シートに記入しています。どの班のどんなところが実験としてよかったのか、あるいは課題があったところはどこか、また、発表はどうであったか等、気づいたことを互いに書き記します。

 「主体的・対話的で深い学び」が実験を通してグループワークとして成立していました。次の時間4班の発表が終わってから全体で考察をするとのことです。
 
 誤差の原因を書きだして、それらの誤差は理論値より大きい値になるのか小さい値になるのか、また、無視できうるものとそうでないものとに根拠を示して分けることが大切で、わずかな誤差でもその原因を突き止めることが重要だと感じました。生徒たちの考える力がどんどん深まっていきそうです。とても興味深い授業でした。ありがとうございました。発表まで頑張った生徒の皆さん、お疲れさまでした。