10.04.木  
奇跡の文学「源氏物語」〜3年「古典B」
 今週から植木の剪定業者さんが来られて、校庭の樹木の剪定が行われています。昨年はそのままにしていたグラウンド南側のイチョウも今年はバッサリ切ってもらいました。これでたくさんの落ち葉が排水路を埋め尽くすこともなくなります。

 4時間めに2年3組で行われていた「古典B」の授業を見学しました。担当は増田先生。はじめに簡単な古文単語の小テストをしました。4択の単語の意味を問う8題か書かれたプリントを1分程度でささっと答えてすぐに回収です。授業が始まって5分も立たないうちに回収も済んでしまいました。なんと速いんだろう!」と感心しましたが生徒たちは慣れっこのようです。

 次に、「源氏物語」より「光源氏誕生」のシーンの学習のまとめの時間です。B5サイズのプリントが配られ、8つの質問が書いてありました。

◆「【いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めき給ふ】について、このことは物語の展開とどのように関係してくるか。」
◆「【ましてやすからず】について、『更衣たち』はなぜこういう心理に陥るのか。女御たちと比較して考えよ。」
◆「【人のそしり】について、どういう事柄に対する『そしり』なのか。」

 このような質問の答えを生徒たちが前に出て黒板に解答していきます。答え合わせをしながら先生がおっしゃいました。
 「答え合わせだけではこの作品の素晴らしさは分かりません。他の作品にはない大きな特長があります。」

 四百字詰原稿用紙2000枚という長編を書きあげた紫式部のエネルギーはどこにあったのでしょう。千年以上も前、人の心理を深く読み込ませるような作品は1つもなかった時代に、この世に人が生まれて、生きて、人を愛し、別れ、死んでいくという生身の人間の心情を十分に描き上げた作品は、少なくとも日本では全く初めてのことでした。
 また、平安時代仮名文の模範的な文体を完成させた功績も特筆すべきことでしょう。源氏物語は、まさに日本古典文学の最高峰として翻訳され世界中の多くの方に読まれていると聞きます。平安の宮中に思いを馳せながら、この作品を十分に味わいたいものです。



10.04.木  
保健講演「ストレスに強くなるために」
 5時間めは全校生徒が体育館に集まり、「こころの健康についての保健講演〜『ストレスに強くなるために』」が行われました。講師は大阪樟蔭女子大学学芸学部心理学科准教授の佐久田祐子先生です。

 社会で生きていく中で、人にはそれぞれのストレスがかかります。
 「こんな時、あなたならどちらの行動をとりますか。」いくつかの具体的な質問が投げかけられました。
 「もし、友達が徐々によそよそしくなってきたら…」
@思い切って聞いてみる。A次自分も距離をとる。
 時と場合にもよると思いますが、おおよそ@の方がストレスがたまりにくいようです。

 「では、ストレスがかかるとどのような症状が表出するのでしょう。」
 スライドを使って丁寧に教えてくださいました。

 「どんな心持ちでいることがストレスを感じずに生活することができるのでしょう。」
 「3秒で鼻から息を吸って、1秒止めて、6秒かけて口から吐く。」10秒呼吸法を紹介し、体と心の相関関係に触れながら、分かりやすく教えられました。

 いつもお世話になっております。と異なる並び方をしたからでしょうか。今日は少しざわざわしていました。人の話を聴くときは、しっかりと顔を上げて、遠くても話している人の目を見るように努めて一言一言聴く姿勢を持ってほしいものです。



10.04.木  
職員人権研修を行いました
 放課後、職員人権研修を行いました。今回は貝塚市人権協会会長で、精肉店と太鼓屋を営んでおられる北出昭さんを講師にお招きし、「『ある精肉店のはなし』命をいただき、いのちは生きる」のタイトルでご講演いただきました。
 
 昨年は本校の太鼓の張替えでたいへんお世話になり、今年は地元のだんじり祭の直前で台風の影響もあって大変な時に、わざわざ時間を取ってくださいました。お世話になりっぱなしです。

 『ある精肉店のはなし』は、平成26年度文化庁文化記録映画大賞等を受賞した北出さん一家のドキュメンタリー映画です。今日はご自身の生い立ちの中で経験されたいろいろなお話をされながら、そのダイジェスト版も見せてくださいました。

 「どこで生まれようが、言葉が違おうが、肌の色が違おうが、みんな幸せに生きる検地を持っています。」「差別というのは一つ間違えれば人のいのちを奪うことになります。」「『何も言わずそーっと黙ってたらいいんとちゃうん?』という言葉を聞くことがあるが、黙っていてても『差別』は一人歩きをする。『無知』が差別を呼ぶのです。」

 黒板いっぱいに太鼓の張替え作業等の写真を貼ってくれました。最後に教材用の手作りの小さなしめ太鼓も敲いてくれました。たくさん勉強になりました。

 北出さん、ありがとうございました。