09.21.金  
2年「現代文演習」
 今日は2時間めから4時間めまで授業を見学しました。2時間めは2年選択科目「現代文演習」、担当は越島先生が23名がゆったりと学んでいます。

 「現代文演習」は「学校設定科目」という本校オリジナルの科目で、今年度は20科目を開講しています。生徒の興味や関心を引き出して教養を深めたり、技能を向上させたりする講座や、難関大学、理系大学等への進学を保障するための講座が並んでいて、今年度も多くの生徒が履修しています。

 「現代文演習」は教科書を使用せず、問題集を使って、小説・評論や随筆等の読み方について学んでいます。今日は、映画化されて話題になった夏川草介の「神さまのカルテ」の一節の読解演習です。もちろん原作は本校の図書館に置かれています。

 問題文は、信州にある本庄病院で内科医として勤めている私(ドクトル先生)と、前日大量の睡眠薬を飲んで倒れたところを助けられた学士殿(同じアパート御嶽荘の住人)の病室での場面です。側には学士殿の姉が付き添っています。

 まずは10分で各自で読み問題を解いていきます。「小説は、会話や動作、描写された情景から登場人物の心情を読み取ることが求められているのだ」と、先生のアドバイスがありました。
 
 読み手に想像の余地があり、読み手によって感じ方が異なる所が小説の最も大きな魅力だと言えるでしょう。読み手がいつの間にか自分の生い立ちやさまざまな体験を、登場人物の心情に重ねて、そこにいる「自分」を見ているような気になるのです。

 学士殿を、「それがどうした。…お母さまに会いに行けばいいではないか。」と励ました私が、その母が先日亡くなっていたことを学士殿の口から聞いた瞬間、自分も同じような体験を思い出し、あの時は本当に悪かったと、また自分を責めるのです。

 問題集にある小説の一節を読むだけでも、深く心が揺さぶられる時があります。言葉は、そこに書き手の心が宿っているゆえに強い力を持っています。

 後半は、評論の読み方の説明がありました。配付されたプリントにはそのポイントがとても分かりやすくまとめられていました。授業の始まりから終わりまで、積極的に学ぶ生徒たちが印象的でした。



09.21.金  
1年「国語総合A」
 3時間めは、1年7組の「国語総合A」の授業を見学しました。担当は担任の恒成先生です。國分功一郎氏の評論「贅沢を取り戻す」の読解です。

 はじめに今日学習する範囲の本文を、段落ごとに交代して生徒が音読します。きちんと立って教科書を手に持ち、皆に聞こえるように読む姿が素晴らしいです。全体を読むと、何を論じているのかおおよそ見当がつきます。一つひとつ言葉の意味を理解し、文と文の繋がりをつかみながら読み解いていきます。

 次々に生徒が指名され、先生が発問していきますが、当てられて慌てる生徒は一人もいません。答えてもらう前に、「次は○○さんに何について答えてもらうから」と先生が必ず伝えていることもありますが、生徒全員がテンポの良い授業にしっかり乗っているからです。授業の終わりまで全員が積極的に学んでいました。

 本文は「消費」と「浪費」を対照的に捉え、「本当の贅沢とは消費ではなく浪費することだ」と論じています。お金を払って買ったものに満足せず、次々と新しいものを買い続ける「消費」することではなく、一つのものをいつもでも大切に「浪費」することが本当の贅沢だとの言葉には説得力があります。

 私も子供の頃から大切にしているものがいくつかあります。生徒たちもきっと同じ思いになっている人は少なくないでしょう。国語の授業は、文章の読解だけでなく、少し横に置いていた大切なことに気づかされる深い学びがあります。



09.21.金  
2年「英語総合演習」
 4時間めは、2年生「英語総合演習」です。この科目も学校設定科目で多くの生徒が履修しています。このクラスは2年2組と保育コースの生徒3人の42人が受講しています。1クラスの人数が40人を超えていますが、今年度は普通科総合選択制から普通科専門コース制へ改編したことにより、教員定数が10%削減されたことが原因の一つになっています。本校の先生方の1週間あたりの授業時間数を増やし、情報のチームティーチングや1年次の国語や数学で行ってきた少人数習熟度別学習も取りやめました。

 それでも、生徒にとって不利益にならないように、工夫して丁寧な授業ができるようにと、本校の先生方はとても熱心に取り組まれています。結果として、年々生徒の基礎学力や学習に対する意欲が向上しています。

 このクラスの担当は佐分利先生です。まず全文をリスニングし、問題を解きながら重要な構文やイディオムについて学習していきます。生徒たちには、問題文を見なくても、リスニングでおおよその意味が分かるように努力してほしいと願っています。

 レッスン6の問題文は、世界中の動物園でオランウータンがタブレットを使っているという話題でした。でも人間より7倍も力が強いので、いとも簡単に壊してしまうことが悩みのようです。なかなか興味深い話だと思いました。