2年「現代文演習」
今日は2時間めから4時間めまで授業を見学しました。2時間めは2年選択科目「現代文演習」、担当は越島先生が23名がゆったりと学んでいます。
「現代文演習」は「学校設定科目」という本校オリジナルの科目で、今年度は20科目を開講しています。生徒の興味や関心を引き出して教養を深めたり、技能を向上させたりする講座や、難関大学、理系大学等への進学を保障するための講座が並んでいて、今年度も多くの生徒が履修しています。
「現代文演習」は教科書を使用せず、問題集を使って、小説・評論や随筆等の読み方について学んでいます。今日は、映画化されて話題になった夏川草介の「神さまのカルテ」の一節の読解演習です。もちろん原作は本校の図書館に置かれています。
問題文は、信州にある本庄病院で内科医として勤めている私(ドクトル先生)と、前日大量の睡眠薬を飲んで倒れたところを助けられた学士殿(同じアパート御嶽荘の住人)の病室での場面です。側には学士殿の姉が付き添っています。
まずは10分で各自で読み問題を解いていきます。「小説は、会話や動作、描写された情景から登場人物の心情を読み取ることが求められているのだ」と、先生のアドバイスがありました。
読み手に想像の余地があり、読み手によって感じ方が異なる所が小説の最も大きな魅力だと言えるでしょう。読み手がいつの間にか自分の生い立ちやさまざまな体験を、登場人物の心情に重ねて、そこにいる「自分」を見ているような気になるのです。
学士殿を、「それがどうした。…お母さまに会いに行けばいいではないか。」と励ました私が、その母が先日亡くなっていたことを学士殿の口から聞いた瞬間、自分も同じような体験を思い出し、あの時は本当に悪かったと、また自分を責めるのです。
問題集にある小説の一節を読むだけでも、深く心が揺さぶられる時があります。言葉は、そこに書き手の心が宿っているゆえに強い力を持っています。
後半は、評論の読み方の説明がありました。配付されたプリントにはそのポイントがとても分かりやすくまとめられていました。授業の始まりから終わりまで、積極的に学ぶ生徒たちが印象的でした。