3年「日本史講習」
集中豪雨から1週間、治水緑地では鳥たちの囀りの中に蝉の音が混ざって聞こえています。夏の盛りになりました。プールの授業は女子から男子に、ホイッスルと水しぶきの音が聞こえてきます。
放課後は3年生の進学講習が行われています。大講義室を覗いてみるとほぼ満席、今谷先生の日本史特講が行われていました。授業で学んだことを復習しながら、大学入試に十分対応できる学力を養うために生徒たちは真剣そのものです。
古代最大の内乱と言われる「壬申の乱」(672年)について復習している所でした。1,300年以上も前の出来事を「史実」として扱うには相応の根拠が必要です。教科書を骨組みに資料集にある図表や詳説を肉付けして世の流れを把握し記憶していきます。その時に、「本当にそうであると言えるのか」と論拠に対する疑問を持つことが深い理解につながるように思います。当時の史実は主に日本書紀等の古文書や史跡や出土品に基づいているのでしょうが、まだまだ見つかっていないこともたくさんあるように思います。
例えば、「藤原宮が平城京や平安京よりも広い本格的な都であった」ことが実証されたのは21世紀になってからのことです。そう思うととても歴史の見方がとても面白くなります。教科書の内容が全く変わるような根拠が見つかるかもしれません。
また、この頃に詠まれた万葉集にある歌が、歴史を味わい深いものにしているように感じるのとがあります。大友皇子と大海人皇子との仲違いの本当の原因は何だったのでしょう素人ながら額田王の存在が関係していたのかもしれないと思うと面白くなります。
茜指す紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る 額田王
歴史を入試で良い点をとるためだけに学ぶのではなく、自分が歴史研究家になったつもりで学ぶ方がずっと楽しく学べそうです。今谷先生はとても分かりやすく学びの世界へと導いてられていました。生徒の皆さん頑張ってください。