05.15.火  
1時間めの集中力@〜頑張る生徒たち
 汗ばむような陽気になりました。活発に滑動していた部活動も小休止、学校全体が中間考査に向けて勉強一色になっています。朝のSHRが始まる8時35分の2分前にはピタッと登校してくる生徒は途切れ、誰一人遅刻してくる生徒はいません。正門にいて昨年度よりずいぶん遅刻が減ったと実感できます。

 今日は1時間め北館の普通教室棟で行われている2、3年生の授業の様子を見て回りました。初めは2年2組、必修科目「世界史A」、担当は西村先生です。1学期の中間試験直前の授業で、ここまで学んだ内容の復習を中心に進められていました。テーマは「文明の始まり」です。チグリス・ユーフラティスの豊かな川に挟まれた肥沃な三日月地帯に栄えたメソポタミア文明について、狩猟から農耕や牧畜の生活へと変化し、シュメール、アッカド、アムルと支配者が入れ替わった戦いの歴史について、「なぜ?」「それでどうなった?」と一つひとつ生徒に訊きながら、歴史の流れを理解していきます。

 人間の社会が自然発生的にでき始めた頃を研究することは、これからの国際社会をどう作っていくかを考えるうえで、とても参考になります。平和で理想的な国際社会をと、多くの人々がそう願いながら、争いの絶えない現実をどう受け止めて、どうすればよいのでしょう。人類の歴史は、争いの歴史でもありました。20世紀はまさに戦いの時代であったと言えるほど、多くの戦争や内乱が起きました。そして、それは今も続いています。

 「あなたならどんな国づくりをしますか、どんな外交をしますか。」
 今、私たち一人ひとりに問われている時期が来ているのかもしれません。少なくともこれらの課題に主体性を持って考え、自分の意見をしっかり持ちたいものです。

 生徒たちはとても真剣で1時間めから素晴らしい集中です。
 



05.15.火  
1時間めの集中力A〜頑張る生徒たち
 2年7組は理科の必修科目「生物基礎」です。担当は理科の山下先生。いつものようにプロジェクターにタイマーを映し出して、時間を定めて生徒に課題を与えられています。今日は細胞の構造と役割についての復習です。植物や動物のからだが細胞(cell)でできているとシュライデンやシュワンが細胞説を提唱してわずか180年。今や自分のからだの細胞から万能細胞を作り出す技術まで獲得し、医学が劇的に変わろうとしています。

 人間の無尽蔵な才能に驚嘆しながら、文明が誕生して以来ずっと争いが絶えない社会に身をゆだねるしかないように感じる現実に、私たちはどう向き合えばよいのでしょう。人間と言う生き物にどう向き合えばよいのでしょう。

 今、教育の現場で求められているのは、このような問いに向き合う力です。2年生になり、なぜ「世界史A」で文明の始まりと人間の歴史を学び、「生物基礎」で生物のしくみを学ぶのか…。その答えがここにあります。生徒の皆さんは、それに気づいてくれているでしょうか。決して「試験に出るor出ない」が学びの中心になってはいけません。なぜならそれでは本当の学ぶ楽しさは感じ取れずに、授業が退屈になってしまうからです。

 生徒の皆さんには、学びを通してたくさんのことを考える人になってほしいと願っています。また、そうなれると思っています。



05.15.火  
1時間めの集中力B〜頑張る生徒たち
 3年生も1時間めからトップギアです。「日本史B」の奥田先生も熱の入った説明で迫力満点です。世界史も日本史も面白いのは、1日たてば教科書が1頁増えるという事です。これで最後の頁ということは、人間の歴史の終わりまでは少なくともやってきません。人間の歴史にとって意味のない1日はおそらく1日たりともないでしょう。常に新たな歴史を作りながら過去の歴史を学ぶのです。そう思うと、過去から学ぶことは直ちに未来に活かせるように感じてきます。

 「学ぶ意味がどこにあるか。」その答えを生徒が自ら見つけることが授業の肝であると言えます。

 物理の授業では、今西先生が考査範囲の配点の割合を生徒と一緒に決めている所でした。剛体の運動、運動量保存…、物理は力学を十分に理解できていれば、後出の波動や電磁気の理解も容易くなります。また、日頃の生活の中で、運動量保存やエネルギー保存則は成り立っていると感じることが多くあるようにもなるでしょう。私たちが日頃出会うさまざまな事象について、どう捉えるか、そしてどう予見するか、そのためにどう行動するか、これらの考察の重要なヒントになることがしばしばあるように思います。

 授業に無駄はありません。すべて生きることとつながっているのです。その実感を身近に感じてほしいと願っています。週4時間の物理の授業の中で、難解な問題に挑戦することもあるでしょうが、きっと役に立つ日が来ます。生徒の皆さん頑張ってください。



05.15.火  
1時間めの集中力C〜頑張る生徒たち
 横の教室では今谷先生も「日本史B」を教えられていました。今谷先生の授業は工夫がいっぱい詰まっています。プリントも学ぶ側の立場になって細かい所まで気配りされています。生徒たちのノートは書き込まれたプリントが丁寧に貼られ、重要な内容が書かれています。その生徒もとても丁寧に作られていて、1冊の参考書のようになっています。これは毎時間きちんと授業を受けてきたことを示しています。
 あとは、覚えること、理解することがきちんと整理されて頭の中に入っているかです。みんな集中力満点です。