04.08.日  
始業式・入学式を前に
 午後から明るい陽光に包まれて暖かくなりました。明日はいよいよ始業式、そして、入学式です。9期生は3年生、10期生は2年生、それぞれ新しいクラスの一員としてスタートします。そして、午後からは入学式。みどり清朋高校11期生の生徒としての第一歩を歩み始めます。

 今年の桜は一瞬でした。春の暖かさと冬の寒さの両方がはっきりしている年ほど開花は早く、たくさんの花をつけて美しく咲くと言われています。「厳しい寒さを経験するほど開花は早く、美しい」という結果を、つい、人が生きていく中で起こりうる様々な場面に重ねようとしてしまいそうです。
 
 冬の厳しい寒さを「じっと耐えるもの」と認識することで、「じっと我慢して頑張れば素晴らしい時が来る」という思いにつながります。「辛抱して勉強し努力し続ければ、希望の進路は早く実現するよ」「しんどい辛い厳しい練習を続ければするほど、早く強くなるよ」と生徒に言います。私たちも「辛抱して頑張ることがいいことだ」と自分に言い聞かせているかもしれません。

 しかし、実際は少し違うように思います。そもそも桜は冬の厳しい寒さを「耐えて」いたのでしょうか。耐えると開花は遅れる方が正しいように思います。むしろ桜は冬の寒さを「楽しんで」いるのかもしれません。厳しい寒さを「楽しむ」感覚が桜にあれば、いつもより早くぱぁっと咲くのもよく分かります。
 
 毎日の授業や勉強、部活動の練習等、自分を高める営みは辛抱しながらすることではありません。それらを楽しみがらすることが「なりたい自分になる」ためには大切です。私たち大人にとっても同じことでしょう。まずは、何でも楽しめる柔らかい心を持てるようになりたいものです。

 広いグラウンドの東側のテニスコートとプールの間に野草が育っています。普段は注目して足元を見ることはありませんが、よく見ると昨春よりもたくさん花が咲いていることに気が付きました。濃桃色の鮮やかなホトケノザ、お馴染みのタンポポも多く咲いています。そして、昨春と同じ場所に、四つ葉のクローバーも見つけました。やはり、みんな厳しい寒さを楽しんでいたかのようです。