02.26.月  
自習室と進路閲覧室
 午後6時になろうとしています。考査後残って勉強していた生徒たちが下校していきます。外はまだ薄明るく、寒さも感じません。

 北館2階の進路指導室の手前には「自習室」があります。一人で集中しやすいように、机には立て板がついています。今日も数名の生徒が熱心に勉強しています。図書室の広いテーブルに勉強道具を広げて、友達と一緒に教え合いをしながら勉強するのが好きな生徒や、教室で一人で勉強したり、時々教え合いながら勉強したりするのが好きな生徒もいますし、友達と二人で自習室に来て、机を並べて互いに黙々と勉強するのが好きな生徒もいます。それぞれに自分に合ったスタイルで頑張っています。
 本校の自習室は「とても集中しやすい」となかなか評判です。今日も3年生が受験勉強をしに朝からやってきています。頑張り続ける姿はとても立派です。

 進路指導室の奥の部屋は「進路閲覧室」です。この1年間、たくさんの8期生がよく利用しました。大学、短大、専門学校それぞれの学校案内や入試問題等の資料がいっぱい本棚に並んでいます。とても綺麗に整理されていて閲覧しやすく、進路の先生の許可を得て借りることもできます。
 毎日のように、この部屋でたくさんの生徒たちが、先生方に進路に関する相談をしています。



02.26.月  
カイヅカイブキ〜140年の時を越えて
 夕方、技能職員のHaさんからとても貴重なお話を聴きました。
 
 北館校舎に沿って北側に植えられている針葉樹は、いずれも「カイヅカイブキ」というヒノキ科の常緑針葉小高木で、「イブキ(伊吹山に多く見られる)」の園芸品種です。毎年秋にバッサリと剪定してもらっていますので自然な樹形とは程遠い姿ですが、半日陰でも元気に育っています。放っておくと枝がらせん状にねじれて主幹に巻きつき、渦巻きのような円錐形の樹形になります。公園や庭木としてよく見かける樹木の1つです。

 あまり気に留めていなかったのですが、玄関から体育館へ向かう所に一際立派なカイヅカイブキが植えられています。この品種の樹高は6〜7mといいますから、これ以上は高くなることはなさそうです。エバーグリーンの葉をいっぱいつけたたくさんの枝が伸びて、幹が見えないほどになっていました。

 ところが、この立派なカイヅカイブキの幹は1本ではなかったのです。Haさんがそのことに気づかせてくれました。

 夕方見てみると、同じくらいの太さと高さの3本の幹が寄り添うようにまっすぐに伸びています。一株3本立のとても珍しい樹形だそうです。今日、當内さんという方がお見えになって、たくさんになりすぎた枝を掃い、美しく活き活きとした見事な樹形にしてくださったとのこと、3本の幹もよく見えます。

 當内さんは池島高校がこの地にできた頃に、校庭の植栽をしてくださっていた方で、この木をここに植えられた方です。今でも本校の植栽を気にかけてくださり、今日も無償で剪定してもらいました。知った時にはすでに帰られていてお会いできずに残念です。

 この木には驚くべき歴史がありました。平成16年11月に発行された池島高校30周年記念誌「碧空」に、そのことがわかる當内さんの「特別寄稿」が掲載されていました。

 この木は元々京都府園部町西植生西本梅地区にあった小学校の正門を飾っていたそうです。樹齢はすでに百年を超えていたとのこと。やがて小学校は廃校になり、子どもたちの歓声は聞こえなくなったそうです。
 
 池島高校開校3年めの昭和51年春に、池島高校への大移植計画が持ち上がりました。当時のPTA会長の故郷であったという繋がりでした。1年間の準備を経た翌春、ついにたいへんな苦労をしてここまで運ばれたそうです。
 
 それから約40年の歳月が過ぎました。樹齢140年を超えるこのカイヅカイブキはこの地を第二の故郷として元気に生きています。當内さん、本当にありがとうございます。