02.14.水  
広島県立祇園北高等学校に行ってきました
 今日は国語科のF先生、理科のY先生の3人で広島県立祇園北高等学校へ勉強しに行ってきました。祇園北高校は広島の市街地を流れる太田川がつくる三角州の西端の山裾に建つ創立35年の比較的新しい普通科専門コースを持つ高校で、1年次から理数コースを設置しています。
 当校は、「深い学び」をめざした授業改善に係る取組みを精力的に進めている学校で知られています。当校では「深い学び」=「各単元の本質と実生活や社会が結びつくという見通しを持った学び」と定義づけ、「単元の本質」に至る「発問」を引き出し、そこから逆算した授業設計を全教員で取り組んでいます。
 
 訪問の目的は「ICEモデル」と呼ばれる授業づくりを中心に据えた学校改革を、僅か2年で成し遂げられたその秘訣を知るためです。みどり清朋高校は普通科総合選択制から専門コース制に改編して3年めを迎えます。4月に入学する生徒は新しい大学入試制度で受験する初めての学年でもあり、「主体的・対話的で深い学び」をどのように授業やあらゆる教育活動に取り込んでいくかがとても重要なテーマになっています。
 授業の初めに「単元の本質」を問う「発問」をすることで、生徒が画期的に前のめりになって授業に向かうように変化したという祇園北高校は魅力いっぱいです。本校も進化し続ける学校に、「みどりの授業はすごい!」と言われる学校になれると思い、訪問しました。



02.14.水  
ICEモデルの実践
 6時間めに1年次「現代文」と1年次「現代社会」の授業を見学しました。どちらも生徒が必然的に主体的になる発問に「なるほど!」と感心しました。
 「ICEモデル」は発問を次の3つに分類しています。I=Ideas(それは何か、何が問題か、本当にそうなのか)、C=Connections(それらはどんな関係にあるか、何が言い得るか、なぜそうなのか、なぜ問題なのか、どんな時そうなのか、もしそうでないならどうか)、E=Extensions(どんな価値を産み出せるか、どうすれば解決・改良・防止・正当化できるか、結局、何なのか[So what])
 そして、どの単元もEの発問を設定することから始め、そこから逆算して授業を作る手法です。例えば「更級日記」の単元では、「『更級日記』は本当に文学か。自分にとっての『文学とは何か』についての定義にも触れながら述べなさい。」「円の方程式」の単元では「半径の語や中心からの距離という言葉を使わないで、円を定義することができますか。」という発問は「E」に相当するといったものです。

 今日の授業では、「あなたは物事を本当に自分で決めて行動していますか。あなたは危険でもやりますか?」という発問をして、『決心すること』を自分のこととして考えるようにしたうえで、「この小説に出てくる人物がある『決心』をします。どのようにしてどんな『決心』をしたのか読んでいきましょう。」と導かれていました。もうこれだけで生徒は十分主体的にこの小説を読むであろうと感じました。

 また、この「E」の問題を定期考査の中に10%でいいから毎回入れることをされていました。「はじめは生徒が答えられなくてもいい。Eの問題を出し続けることが生徒へのメッセージになる。」との校長先生の言葉がとても印象的でした。

 4時間もかけてとても丁寧に細やかに教えてもらいました。校長室はたくさんの本でいっぱいで圧倒されてしまいました。私の浅学をとても恥ずかしく思いました。

 たくさんのヒントをいただきました。これらを活かし、先生方とともにより良い授業づくり、学校づくりを進めていきたいと考えています。祇園北高校の先生方、ありがとうございました。