11.08.水  
濡れそぼつ
 立冬から一夜明け、未明から地雨が降り続いています。雨の中を登校してくる生徒たちの表情も少しばかり辛そうです。

 雨粒は風もなく、まっすぐに中庭の池の水面に落ちてはまん丸の波紋が広がります。雨音だけが聞こえます。 
 色づき始めた紅葉がしっとりと濡れて色鮮やかです。雨の日は、雨の趣があってよいものです。今日はどんな一日になるのでしょう。生徒たちは教室で真剣に授業を受けているところです。



11.08.水  
3年「美術V」
 水曜日の2時間めと3時間めに3年生「芸術V」の選択授業があります。今日は美術室を訪ねてきました。
 美術Vを選択している生徒は14人、担当はF先生です。和やかな雰囲気の中、みんな熱心に取り組んでいます。テーブルの上にはたくさんのマッチ棒の軸が入った袋と木工ボンドが置いてあります。横には簡単な図面。マッチ棒を繋げながらそれぞれ自分で考えた立体を組み立てています。
 先週からこの課題に取り組んでいるとのこと、完成すれば中に電球を取り付けて、みんなで点灯式をするそうです。
 なるほど、きれいなイメージがぱっと目に浮かびました。どんな作品が出来上がるか楽しみです。



11.08.水  
2年「世界史A」
 3時間めは、2年2組の世界史Aの授業を見学しました。担当はM先生、世界史Aは必履修科目で2年生全員がクラス単位で授業を受けています。2組は欠席ゼロ、みんな元気です。

 今日は「地中海帝国ローマの完成と帝国の解体」について。黒板には当時のローマ帝国の勢力が及んだ地図と皇帝の肖像画が貼ってあります。
 はじめに、先生が大きな写真を1枚ずつ見せながら皆に尋ねます。
 「これは何?」
 生徒はそれぞれ元気に答えます。正解は「コロシアム」「水道橋」「アッピア街道」「凱旋門」。どれもローマ帝国時代につくられたものだそうです。広大な属州と奴隷の流入。帝国ローマは繁栄を極めますが、豊かな国になればなるほど侵略者はやってくるもので、ゲルマン人の侵入やササン朝の侵略等に属州が脅かされるようになり、状況が変わります。やがてローマは東西に分裂、解体していきます。

 M先生はたくさんの例を挙げながら、時間の経過とともにどんな出来事が起きたか、なぜ起きたか、ということを分かりやすく説明されていきます。50分間ほとんど喋り続けているように感じるほど、とにかく先生が元気いっぱいで楽しそうです。知らず知らずのうちに、生徒たちはM先生のペースに乗っていきます。あっという間の50分でした。

 日本では、ようやく国ができ始めたころ、地中海ではすでに大帝国ローマが巨大な勢力を持っていたとは思いもつかなかったことでしょう。そもそも地球という概念が日本ではいつごろできたのでしょう。人間の歴史を紐解いていくことは決して容易くはないと改めて感じました。ありがとうございました。