11.02.木  
1年「数学β」〜解の公式を導く〜
 よく晴れた冷んやりとした朝になりました。夜の間にかなり気温が下がったのか、生駒の峰の麓にかかる朝靄が山の端まで広がっています。

 今日は2時間めと3時間めに授業見学をしました。
 2時間めは、H先生の1年「数学β」発展コースです。1年生の数学は5単位のうち2単位を習熟度別少人数制に展開して授業をしています。このクラスは14人が学んでいました。

 今日のテーマは「2次方程式」。問題を解きながら、まず基礎基本の確認を行います。H先生は、生徒が間違う箇所を知り尽くされているのがよくわかります。方程式の解を導く過程で、どこで何に注意にすればよいか、分かりやすい言葉と記憶に残る絶妙の間合いで生徒に考えさせるように問いかけながら指摘してくれます。
 また、一人ひとり表情を見ながら、理解の様子をチェックできるのも少人数制の強みです。

 次に、axx+bx+c=0 の2次方程式から、中学3年生の時に暗記した「解の公式」を導き出します。分数、ルート、正負の符号など計算時にミスをしやすい所がいくつかあります。発展コースといえども基礎を完璧に押さえてミスをゼロにすることが大切。とても丁寧に教えてもらっていました。問題演習では皆すらすらと解いていました。



11.02.木  
1年「化学基礎」〜モルの概念〜
 3時間めは、1年7組「化学基礎」の授業を見学しました。担当はN先生です。
 始めに前回の小テストの返却があり、どの箇所でどんな間違いをしやすいか、細かく丁寧に振り返りをしてくれました。
 
 そして復習を兼ねて、教科書などでよく登場する物質の分子量、または式量を求めていきます。水分子のようにH(水素原子)2個とO(酸素原子)1個が結合して一塊になっている分子もあれば、NaCl(塩化ナトリウム)のように、方向性のないイオン結合によってNaとClが1対1の割合で立体にずらりと並んでいるものもあります。分子量とは、式量とは何を表しているか、きちんと正確に伝えながら、進められていました。

 基準はCの12。すると、Naは23、Clは35.5、Sは32…。教科書の表にある原子量の値はどれもよく出てくるのでそのうちに自然に覚えてきますが、問題文に明記されているから覚える必要はないと聞き、生徒は一安心です。
 しかし、先生は「私は親切ではない。」と、とても親切に教えながら切り出されました。「例えば『メタンCH4の分子量は?』と教科書にはCH4と組成式が書いてありますが、私は書かないかもしれません。」
 何を覚えるのが大切か、はっきりと示されています。

 次に問題演習。先ほどの数学と同じように前で生徒が答えます。皆スラスラと答えていました。

 あっという間に時間が過ぎていきます。あと10分になって、いよいよ化学基礎の山場の「モル」に入ります。
 「化学の世界でものの量を比較する時、グラムやリットル等いろいろな単位があるので、たとえば銅100グラムと水1リットルとどちらが量が多いですかと言われても単位が違うと比べようがない。そこで、『数が多い方がものの量が多い』として、例えば水素原子1グラムなら○○個というように表した。これはまるで、『1ドルは114円』という為替レートのようなものです。」と、実際に1ドル紙幣と1円玉114個を手に持って見せられていました。

 なるほど、そういう教え方もあったんだと、とても勉強になりました。さて、生徒は頑張ってモルのぜひ概念をマスターしてほしいと願っています。 



11.02.木  
八重山を学ぶ
 木曜日の5、6時間めは「総合的な学習の時間」とLHRです。3年生は盛りだくさんで、何をするかは一言では言えないとのことです。

 2年生は、体育館に集合です。今日は、沖縄本島出身の上條恵奈美さんと西表島出身のまーちゃんのお二人にお越しいただき、上條さんには沖縄や八重山の立地や自然、文化や伝統など幅広く教えてくださいました。沖縄の風土、美しい自然、ソウルフード、文化と伝統など、スライドを見せながらとても分かりやすく教えていただきました。最近は、きれいなサンゴ礁が海水温の上昇により死滅して白く石灰化しているものが増えていること、石垣では外来種の孔雀が繁殖して困っていること等、課題も教えていただきました。



11.02.木  
琉球舞踊と三線と唄〜風人の思い〜
 後半の6時間めは、琉球舞踊と三線と唄です。
 はじめに、先ほど説明してくれた上條さんが民族衣装を身に纏い、音楽に合わせてゆるいゆるりとステージ左側から現れました。上條さんは琉球舞踊で優秀賞をとられた経歴の持ち主です。また、大学在学中にオリオンキャンペンガールに就任し、俳優やタレントとしても活躍されていたそうです。身のこなし方などは流石でした。

 続いてまーちゃんの登場です。まーちゃんは、西表島の出身で、子どもの頃から西表の美しい海を守りたいと思い続け、その思いが唄を歌って世界中に発信し続けることになったと話されました。今では「まーちゃんバンド」として大阪を中心に活動し、知る人ぞ知る有名なミュージシャンです。

 竹富島発祥の「安里屋ユンタ」、八重山の民謡「繁昌節」に続き、二十歳の時に初めて作ったオリジナルの「たからもの」を三線を弾きながら唄ってくれました。「たからもの」の歌詞の冒頭の言葉がは、ある日、島のおじいがつぶやいた言葉だそうです。

「ばーかけらのいのち しまとぅとぅみ あらしょーに」

 いのちがつながり、思いがつながります。素晴らしい感動的な唄でした。

 最後に島唄をみんなで歌って終わりました。ありがとうございました。



11.02.木  
1年進路講演会
 1年生は、5、6時間めを利用して外部講師をお招きし、進路講演会です。講師は産経新聞進学相談会の今井さん、タイトルは「夢を持つことの大切さ」〜進路選択を考える方法とは〜です。
 
(1)皆さんにとっての「夢」とは…?
 「将来の夢=どう生きたいのか」そこから逆算すると今すべきことが見えてくる。
 @どう生きたいのかを決める
 Aそれを実現する職業を考える
 Bその職業に必要な知識や技術を調べる
 Cそのスキルを身につける学校を探す
 という順に具体化していきます。

(2)好きなことを追求する
 @どう生きたいのかを決める方法は、自分の好きなことを追求すること。
 A「楽しい」「幸せ」「充実」と感じるのかを考えてみる。
 B大きいことから小さいことまで100個挙げてみよう。好きなことを100個も挙げると、  自分のやりたいことの傾向が分かります。
 C将来の夢や進路について真剣に考えること。
  →将来の夢や進路というのは1日や2日では決まりません。

 そしてこれからの社会情勢や大学の様子等を話され、社会人になった時に求められるものは何か、次の4点をずばり示されました。
(1)各教科の基礎学力 (2)繰り返し努力できる力 (3)自分で考え判断できる力最後に(4)人間としての力 です。なかなか難しいことです。

 さあ、いよいよ講演も終盤です。最後に2年生になる前の「今」することを熱く話してくれました。

 講演が終わり、表情がきりっと変わった生徒もいました。今日は、コース選択を決める最終日です。文系大学進学を志す生徒は、まず人文探究専門コースに行く覚悟を持つことだと思います。時にはがむしゃらに勉強する、特に授業では精一杯頑張る意欲と覚悟を持ってほしいと願っています。よく考えて、何をすべきか明確にして反らさず向き合ってください。生徒の将来が楽しみです。