10.09.月  
ハルカスと日没
 創立十周年記念式典が近づいてきました。記念誌も最終校正の期限が迫っています。記念事業実行委員会のメンバーをはじめ、多くの方々のご尽力やご支援のおかげで、順調に進めることができ、厚く感謝しているところです。

 今日は「10年のあゆみ」のページを完成するため、学校に来ています。再編統合した学校にいて、本校が歩んできた歴史に思いを馳せると、着任して僅か半年ばかりの私がさらりと仕上げられるものではないと感じます。

 部屋を出て、廊下を歩き、階段を上がり、また廊下を歩きました。目に映る景色の一つひとつが、切り絵のようになって、瞳の奥に綴られていきます。

 「どの写真を載せようか…」

 最終校正の期日が迫っているわりにはのんびりしています。ふと、3階の渡り廊下から西の方を見ると、昼下がりの太陽の右下の、向こうの方に小さくハルカスが見えました。2014年3月に開業したあべのハルカスは、高さ300mという日本一の高層ビルで知られています。本校からは偶然ですが、ちょうど真西の方角にあります。
 だから、太陽が真東から出て真西に沈む春分と秋分の日に、ここから沈む夕陽を見ると、ちょうどハルカスに重なるように見えるはずです。

 今日の大阪の日の入は17時32分。秋分の日からすでに20日ほど過ぎています。

 夕方、再び同じ窓にやってきました。やはり、太陽はハルカスの南側に沈もうとしています。日一日と、昼は短く太陽は南側に沈んでいきます。寒い冬ももうすぐでしょう。 
 それにしても、暮れなずむ空の色はいつ見ても美しいものです。もう、すっかり何をしに学校に来たのか忘れています。