10.08.日  
秋の音
 朝方かかっていたうす雲がさらさらとかき消され、深い青色の空が広がってきました。そこに真っ白なわた雲がひとつふたつと浮かんでいます。のどかで穏やかな休日の朝を迎えました。
 暦の上では「寒露」とは思えないような強い日差しが眩しく降り注ぎ、さまざまな鳥たちのさえずりが聞こえてきます。

 ばーん、しばらくして、また、どーんと、鳥追いの空砲が鳴り響いています。五穀の収穫もたけなわです。案山子もあともうひと頑張りといったところでしょうか。
 コンチキチン、コンコンチキチン… と、山車曳き鐘の音が遠くから聞こえてきました。そっと目を閉じて、秋の音に耳を澄ませば、まだ幼い子供の自分がそこにいるような景色が甦ってきます。

 うらうらと温かい風に誘われて、正門前の景色をパノラマチックに撮ってみました。この柔らで懐かしい音が聞こえてくるでしょうか。考査中の日曜日、学校はとても静かです。「教科書を持って帰るのを忘れました」と生徒が三人やってきました。穏やかな時間が流れています。