1年国語総合(古典)
昨日は一日中しっかり雨が降りました。今朝はまだ雲が残っていますが、雨はどうやら大丈夫そうです。一雨ごとに涼しくなる季節、風邪等引かないように注意しようと思います。
今日は1時間めにK先生が担当する1年7組の国語総合(古典)を見学しました。生徒はクラス半分の20人。1学期の成績を参考に2学期から習熟度別の少人数制授業を実施しています。
今日の内容は、伊勢物語の「筒井筒」。K先生は板書とプロジェクターをとても上手に使われます。生徒に語りかけ、板書をしながら言葉の意味や文法、歌の技法などのポイントを丁寧に教え、和歌の修辞によって広がるイメージを、スクリーンに投影して表現し、生徒を古典の世界へと誘います。
風吹けば沖つ白波たつた山 夜半にや君がひとり越ゆらむ
詠み人の心はどんなであったのでしょう。当事者の思いを真に理解できるでしょうか。
大和物語や古今集にもこの歌が出てくるのは、技法が優れているばかりでなく、高安の女性の元へと、夜半にひとり越ゆる夫を健気に案じる妻の、心の奥に封じ込まれた激しい思いが、狂おしく吹き荒れる風(嵐)や白波(おそらく地面が白くなるほどの強い雨)となって、日中は穏やかな竜田山を望む情景に鮮烈に映し出された、とても激しく強い歌であるからではないかと感じます。解釈の仕方は読み手の想像に任されているところが、古典や小説の面白いところでしょう。
いずれにせよ、1,000年以上もこうして後世の人々に長く語り継がれてきた歌には違いありません。言葉の力はすごいものです。