09.29.金  
「らむ」〜スゲエデ!〜3年古典講読
 雲一つない気持ちの良い朝になりました。生徒も元気に登校してきました。穏やかに一日が始まります。今日の授業見学は、3時間予定しています。来週から中間考査が始まるので、授業もそろそろまとめに入り出しています。生徒も試験前の顔つきになってきたように感じます。働き出すと、したい勉強も思うようにできなくなるかもしれません。高校生の間に、思う存分勉強してほしいと願っています。

 まず、2時間めの3年生古典講読の授業を見学しました。生徒は25人、担当はO先生です。内容は教科書にある十訓抄の「行成と実方」の精読です。本文は敬語が多くあり、文意を理解しきちんと訳すには、主語と動詞を押さえながら、助動詞の意味と用法を正確に理解する必要があります。

 そこで、1年生の復習も兼ねて、助動詞の学習プリントを行いながら読み進めていきます。今日は「自発・可能・受け身・尊敬」の「る」「らる」、「推量」の「らむ」「けむ」を主に確認しました。
 「る」「らる」の意味が「自発・可能・受け身・尊敬」のどれであるかは、前後の文脈から容易に分かりますが、思い込み等による誤りもあるので注意が必要です。O先生は、とても丁寧に一つ一つ確認されていました。
 また、「らむ」「けむ」の違いは現在か過去かだけで、意味は、例えば「らむ」ならば、「現在の推量・原因・婉曲・伝聞」のいずれかで、「『らむ』スゲエデ!」と覚えたらいいと、1回聞いたら忘れない覚え方を教えてくれました。

 入試問題をすらすらと解けるようになるには、このような助動詞の意味を瞬時に理解する必要があるでしょう。中間考査後からは多読に入るとのこと。O先生はいつもとても熱心に教えてくださっています。生徒の皆さんもしっかり学んでいました。この調子で頑張ってください。



09.29.金  
グループワークと発表から考える〜2年現代文
 2年2組、4時間めの現代文はM先生が担当です。内容は、古郡廷治氏の評論「あなたの表現はなぜ伝わらないのか」から、「メディアの豊かさ」の部分を読んでいます。

 「コミュニケーション能力であなたが大切だと思うことは何ですか。」の発問で授業が始まりました。2人の生徒が答えます。「目上であろうとなかろうと、最初は敬語を使う。」「相手の目を見て会話する。」ほとんどの生徒は、相手の目を見て伝える「口頭メディア」が大切だと認識しているようです。本文には、臨席性、高速性、即応性、喚起性において優れていると書かれています。

 それならば、ということで、次のお題が与えられてグループワークが始まりました。M先生はしばしばグループワーク〜発表のスタイルの授業展開をされています。いつものように、さっと机と机をくっつけて班になり、わいわいと考え始めました。

「3年間の高校生活も、そろそろ半分が過ぎようとしています。また、修学旅行も近く迫っています。クラス委員を中心に、どうしたらクラスがさらにまとまるか考えました。(中略)ある生徒が『ハロウィーンパーティ』を放課後にしたいと言い出しました。(中略)校長先生に許可してもらうために何が必要でどのようにお願いをすればいいか、話し合い、その内容をこの紙に書いてください。」

 時間は15分。今度は、実際に各班の代表が私の前に来て、実際にお願いに来ました。どんなふうに言ったか、その様子を皆で見て振り返ります。

 そして、再び教科書の本文に戻ると、書いてある意味が格段によくわかるようになります。楽しみながら、深い学びができる授業でした。放課後のハロウィーンパーティは許可しませんが(笑)。



09.29.金  
2年生物理基礎は実験の発表会
 5時間めはI先生の2年物理基礎の授業を見学しました。生徒は物理選択者の24人で、今年度は3クラスあります。今回はパワーポイントと実験の様子の動画を使った本格的な発表です。理科の実験を自分たちで考えて実施し、その結果からわかったことを分かりやすく発表するといった授業を見学するのは久しぶりで、とても楽しみです。

 テーマは「力学的エネルギー保存則を実証する実験」です。@自由落下、Aばねとおもり、Bばねと台車 のいずれかを利用して具体的な方法は自分たちで話し合って決めます。今日はいよいよ発表の日、各班が用意したパワーポイントと動画を見せながら、説明が始まりました。持ち時間は5分、発表後に質疑応答に入ります。

 発表を見ていて、まずいいなと思ったのは、どの班もメンバー8人の役割分担を紹介したページがあることです。全員が協力しながら実験が進められたことがよくわかります。
 また、教科書にある実験を行うのではなく、何をどのように実験すれば、エネルギー保存則が成り立っていることを証明できるかと、実験方法について考えるところが素晴らしいです。また、実験の様子を動画で記録し、発表時に見せることも素晴らしいと思いました。パワーポイントのスライドもよくまとまっていて感心しました。

 どの班もきちんと正しい実験をしていて、得られたデータもエネルギー保存則が成り立っていることを証明するのに十分なものでした。

 しかし、最後にI先生からなかなか厳しい質問がありました。「誤差は誤差で済ませていいのか。無視できない大きさだと思うが。この誤差をどう考えるか。」

 実験が決して予測どおりにいかない時がチャンスだと科学者は言います。予測どおりにならないのには必ず原因がある。それを考えことが、未知の科学への第一歩になることも知ることができたとても有意義な学びの時間でした。発表した生徒のみなさん、ありがとうございました。